「新1円切手」が販売されました

約70年ぶりとなる新しいデザインの1円郵便切手の限定販売がニュースになりました。

新1円切手のデザインは日本郵便のゆるキャラ「ぽすくま」

いままで1円切手といえば、「郵便制度の父」と呼ばれる前島密(ひそか)の肖像だけ。
他の額面の切手は、記念切手を含めて多彩なデザインの切手が制作・販売されてきました。

特に2007年に郵政民営化して以降は、日本郵便が独自にテーマを企画して発行する切手が増加しそれまでの切手のイメージとは一線を画したデザインが生まれたことで、従来の切手コレクターのみならず、若い女性にも人気を集めているといいます。

聖域の1円切手

しかし、1円切手だけは違いました。
日本における郵便事業を起こし根付かせた功労者である前島密は特別な存在であり、前島切手は言うなれば「聖域」であったわけです。
実際に、日本郵便内には「前島以外は認められない」との慎重論も根強かったようです。

よって、今回の新切手は販売は、郵便関係者によると「歴史的な出来事」だそうですが、
では何故、その牙城が崩れた?のでしょうか。

今回の販売を報道する多くのニュースの中に興味深い記事がありました。
前島密の1円切手が今の構図になったのは1951年。消費税率の度重なる引き上げで郵便料金が小刻みに変わり、手元の切手を利用するために需要が増えた1円切手に対して、
「他のデザインがいい」「可愛い切手にして」
との利用者の声が郵便局などに相次いでいたそうです。 確かに、描かれている前島密の肖像は、威厳はあるもののやはり「怖い」。

今回、後押ししたのは、新聞の読者投稿欄に載った利用者の声と、それを読んだ日本郵政トップの働きかけだったそうです。
日本郵便を傘下に置く日本郵政の増田寛也社長は、朝日新聞などの投稿欄に掲載された同様の声を読んで「潜在的ニーズが高い」と思い、新切手の検討を促したそうです。

ちなみに、今の切手のほとんどは裏面に糊が塗ってあり水で溶けるタイプですが、新1円切手はシール式。
50枚1シート50円で販売し、ばら売りはせず、前島の切手と並行して発行。 販売開始の4月14日の朝、全国の郵便局の前には長蛇の列が出来た?かどうかはわかりません。