「〒」マークの正しい使い方

「〒」は日本の郵便事業・郵便局の記号・シンボルマークで、明治20年に逓信省が徽章として考案・発表し、後身の郵政省・郵政事業庁・日本郵政公社へと引き継がれ、民営化後の日本郵政グループのブランドマークとなっています。

郵便マークの成り立ち

一般的に「郵便記号」または「郵便マーク」と呼ばれます。
日本工業規格(JIS)において「〒」は「郵便記号」と呼称されており、「郵便マーク」は「〠」(顔郵便マーク)を指すようです。
明治20年2月、当時の逓信省は「今より (T) 字形を以って本省全般の徽章とす」と告示。ところが、直後に「〒」に変更し、 同月19日の官報で「実は「〒」の誤りだった」ということで訂正されてしまったのです。
この経緯に関しては、諸説あるようです。。
1.「T」を第1案とし、「逓信省(テイシンショウ)」の片仮名の「テ」を図案化した「〒」を第2案として提出したところ、第2案の「〒」が採用。しかし、告示の時「T」と誤ってしまったために、これを訂正した、という説。
2.「T」にすることで最初から決まっていたものの、後日調べてみると「T」は国際郵便の取扱いでは、郵便料金不足の印として 万国共通に使用されていたため、これによく似たマークは適当ではないということで、「〒」に訂正した、という説。
また、この訂正では、「テイシンショウ」の片仮名の「テ」からの説と、単純に「T」の上に一本足して「〒」とした、
という説の2つがあるようです。

どちらが有力か、ということはないのですが、一般には後者のほうが多く語られており、また、「Tの上に棒を一本加える」というアイディアは、初代逓信大臣であった榎本武揚が出したとも言われています。

正しい記載の方法


ところで、「〒」は、郵便番号を表示するときにもしばしば用いられております。
それについて、郵便約款(正式には内国郵便約款)の別記を見てみますと、このような記載があります。
『郵便番号の前後には、「郵便番号」「〒」その他これらに類する文字又は記号及び「親展」、「至急」、「重要」・・・・・これらに 類する事項を記載できません。』
(例)
100-0005 ・・・・・ (可)
郵便番号100-0005 ・・・・・ (不可)
〒100-0005 ・・・・・ (不可)
100-0005(重要) ・・・・・ (不可)
100-0005(No.000678) ・・・・・ (不可)
ということは、「〒」を郵便番号を表示するときに使用してはいけないわけですね。