迷子郵便物

現在、「空家」が社会的な問題となっています。防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に 深刻な影響を及しているとして、対策のための特別措置法なども制定されました。

郵便物はどうなってる?


ところで、これらの空家にも、そうとは知らずに郵便物が送られるケースがあるそうです。
その場合は基本的に差出人に返送されるのですが、差出人の住所の記載がなく、いわゆる 「迷子郵便」になる郵便物もままあるようです。

郵便法41条には、還付不能の郵便物は差出人に還付すべき郵便物で、差出人が不明により 還付することができないものは、郵便局にてこれを開くことができる、とあります。
迷子郵便は郵便局で開封され、差出人が判れば返送されます。
しかし、開封して分からない場合は3カ月間(以前は6カ月)保管されますが、 これを過ぎても申し出がない場合は、破棄されます。

善光寺の「迷子郵便物供養塔」


ところで、先日弊社の社長が長野の善光寺に行った際に面白いものを見たと教えてくれました。境内に、「迷子郵便物供養塔」というものが建立されていたというのです。実際、年に一度は迷子郵便の灰を納めて供養が行われているそうです。

この供養塔、日本の郵便事業発足100年の節目に当たる1971年(昭和46年)、 郵政記念日の4月20日に、時の郵政大臣で長野出身の井出一太郎氏により建立されています。
碑文には、受取人に配達されることも出来ず使命を果たすことのできない迷子郵便を供養するためとの 内容が記載されています。

以前、郵便物を配達せず隠し持っていた元郵便局員が逮捕されたニュースが報道されました。
このような状況を知ったら亡き井出氏もびっくりすることでしょうが、理由にもびっくり、「やる気なくなって・・」精神的に「迷子」の郵便局員にも供養が必要な世の中なのかもしれません。