郵便の父の近代?現代?

日本橋郵便局は、1871年(明治4年)に近代郵便制度が始まった際、駅逓司と郵便役所が設置された地にあり、「郵便発祥の地」として記念の碑文とともに「日本近代郵便の父」として知られる前島 密(まえじまひそか)の銅像が設置されています。

日本近代郵便の父「前島 密」という人物


前島 密(1835年2月4日- 1919年4月27日)は、日本の近代郵便制度の創設者の一人で、1円切手の肖像でも有名です。
「郵便」「切手」「葉書」という名称を定めた人物で、その功績から「郵便制度の父」と呼ばれるようになりました。

前島は、新潟県上越市大字下池部の農家の生まれです。母親は裁縫などの仕事で生計をたてながら熱心に彼を教育したといいます。
少年時代には江戸で苦学しながらオランダ医学を学び、西洋の知識も吸収していきます。
青年時代、黒船が来航した際には国防の大切さを知り、各地の砲台や港湾を見るため全国を回ります。
彼の勉学への執着はすさまじく、兵法・砲術・機関学、また数学や英語も学んでいきます。
31歳のときに幕臣となり、やがて大政奉還と共に世の中は大きく変化していくのですが、若き日に培った経験と力は新たな時代へと誘われていきます。
明治2年、彼は明治政府から出仕を要請され、政府のシンクタンクで渋沢栄一と共に新たな日本の建設に奔走するのです。

35歳のときに租税権正(そぜいごんのかみ)に任官。税法改正に取組んでいきます。
更に、交通通信の担当官司である駅逓司(えきていし)の実質上の長官である駅逓権正を兼務。全国を旅した経験を生かして駅制改革を進め、全国的な通信網の整備、そして、近代日本の象徴ともいえる郵便制度を確立させていくのです。

1円切手の肖像

晩年を三浦半島西海岸にある別荘「如々山荘」で過ごし墓所も同所の寺院境内にあります。
動乱の中を生きた前島。いまはひっそりと静かに休んでいることでしょう。

ところで、ここが郵政民営化を断行した小泉純一郎元総理の選挙区(神奈川県第11区・現在は子息の進次郎氏)内でもあるのは何の因果でしょうか。
前島密は『日本近代郵便の父』と言われていますが、小泉元総理は『日本郵便民営化の父』と呼ばれるのだろうか?と、何かで読んだ記憶があります。
いつの日か、小泉元総理も「切手」になるのでしょうか?