現在に活きる「自動販売機」

世界で初めて自動販売機を作った男

発明したのは、数学者でもあった科学者ヘロン。
世界最古の自動販売機は「聖水自動販売機」という名前で、ヘロンが著した書「気体装置」に載っているそうです。

「自動」というだけあって、硬貨を入れると重みで栓が開き、蛇口から水が出る構造だったとか。
この自動販売機、神殿前に置かれ、入殿者が身を清めるために利用したといわれます。

自働郵便切手葉書売下機

さて、日本で現存する最古の自動販売機は何と”切手・葉書”の自動販売機です。
名称は「自働郵便切手葉書売下機(じどうゆうびんきってはがきうりさげき)」。

明治37年(1904年)に俵谷高七(たわらやこうしち)という人が作ったものだそうです。
向かって左側が1銭5厘のハガキの販売用の口で3銭入れると2枚出てくるそうです。
右側が3銭切手の口で、真ん中の下方にはポストも付いています。

それだけではなく、在庫がなくなると「うりきれ」と表示され、硬貨が返却されるのです。素晴らしいこだわりに感服しました。

この販売機は、当時の逓信省で買い取られたようですが、残念なことに装置の作動が正確でなく、実用には至らなかったようです。

<h2>現在の赤いポストの原型も、俵谷高七が考案したもの

初めて鉄製の赤色ポストを発案したのも俵谷高七で「俵谷式柱箱」と呼ばれました。

時は流れ、自動販売機は主に清涼飲料商品を筆頭に様々なジャンルで活躍しています。
現在の国内自動販売機普及台数は、約500万台と言われます。
デジタルサイネージを含めた技術の発達とともに、様々なハイテク技術も搭載されるようになりました。

もはや私たちの生活は、自動販売機なしでは考えられない状況ですが、これも古代エジプトから始まり、日本で発展したと考えると、感慨深いものがあります。