わかりやすいアナウンス

「インド象を冷蔵庫に入れる工程を3段階に分けて述べよ。」
もう25年以上前のシステム・エンジニア研修の初日の課題です。数人のグループに分かれて議論し順に回答を述べていきます。
あなたなら、どのように回答しますか?

物事は「Input(インプット)」と「Output(アウトプット)」

研修生の回答は様々。
「まずは像を適当な大きさに切る」「ドデカい冷蔵庫を用意する」などなど。
中には「小さいインド象だった」と言い出す者も。

しかし、その研修での正解は、
①冷蔵庫を開ける
②インド像を入れる
③冷蔵庫を閉じる
の3段階でした。
この設問は先入観を排し、プログラミングを行う上での本質をどうとらえロジックを組み立てるか、という訓練の一環でした。

また、クライアントとの打合せで重要なのは、ユーザーが求める「OUTPUT(出力)」が何か、そしてそのために必要な「INPUT(入力)」は何かを明確にしていくことだと教わりました。
それを、先ほどの3段階に当てはめるならば、
①情報入力(InPut)
②データ処理(Processing)
③求められる結果(OutPut)
となります。
銀行のATMのシステムであれば、
①カード番号と金額を入力(InPut)
②DB情報との照合(Processing)
③現金支払い・帳票出力(OutPut)
となります。
②はシステム会社のノウハウ・力量が問われるところですが、コンピュータというものが身近な現代においては、①と③がユーザーにわかりやすいシステムほど良いシステムということになります。
銀行のATMしかり、駅の切符販売機しかりです。メニュー(機能)の表示(アナウンス)と画面レイアウト(ガイド)はユーザー(USER:使う人)にとって重要な要素です。Webの世界でもWebデザイナーが存在するのはこの「わかりやすさ」のためでしょう。
これは、サービスの世界においても同じです。

こういう話になると、ちょっと頭が痛いのが郵便局のサービスの案内。せっかく良いサービスがあっても告知方法(わかりやすさ)にやや難があります。

例えば、よくご存知の「配達地域指定郵便物(タウンメール)」。これはDMなどの送付物を送り先の住所と名前が分かっていなくても「エリア指定」して各家庭に送ってもらうサービスですが、
あまり知られていないのは、タウンメールを利用する際に郵便局では「地理情報システム(GIS)」機能を使って送付ターゲットが多く住むエリアを絞りこむサービスを展開していることです。
例えば、ある駅からの時間(車・自転車・徒歩・半径等)や国勢調査を元にした統計データ(性別・年齢・未既婚・家族構成・住宅別世帯・推計年収データ)を駆使、該当の世帯が多いエリア地図上に色分けされるので、それらの中からどのエリアに向けて送るかを検討できるのです。
それが無料で使用(発送通数による)できるのです。
よいサービスであると思うのですが、残念ながら日本郵便のサイトにも紹介されていません。

その他にも郵便局にはさまざまなサービス・機能が多く存在しています。それらをもっと広くアナウンスするにはどうすべきか。冷蔵庫で頭を冷やして考えるのも一計かと。