風景印のこと シーリングスタンプのこと

「風景印」と聞いてもピンと来ないのですが、実物を目にすれば一目瞭然。 正式名称は「風景入通信日付印(ふうけいいりつうしんにっぷいん)」。
郵便局に配備されている消印の一種で、局名・支店名・年月日欄と共に、その局近辺の土地にちなんだ風景や歴史的な建造物・旧跡などをモチーフにしたデザインが魅力です。

「風景印」はどうやってもらう?

正確な数字はわかりませんが、全国で1万1千に及ぶ局に配備されているようです。
風景印の入手には、郵便局の窓口に行く方法と、郵便によって押印依頼をする「郵頼(ゆうらい)」という方法があります。
全国の郵便局をめぐってこの風景印を集めているマニアもおり、中にはこれまでに集めた風景印画像と、めぐった郵便局の局舎写真を掲載しているWebサイトもあるほどです。 打刻された日付は、その後もずっと残るため、旅の思い出にも最適です。 風景印の歴史は古く、昭和6年7月7日に逓信省告示で創設され、10日に富士山郵便局(現・富士山頂郵便局)と富士山北郵便局で使用が開始されました。
当初は形状の規定も緩く、さまざまな形状の風景印が作られましたが、戦後に規定が厳密化され変形印は影を潜めましたが、それでも直径36mm以内の印の中に、不思議とロマンを感じます。

シーリングスタンプとは?


ところで、手紙に封をする際に蝋(ろう)をたらして紋章を押すスタンプのことを「シーリングスタンプ」または「封蝋印」と言うそうです。
映画の世界でしかお目にかかったことはありませんが、押された封蝋は剥がしてしまうと開けたことがわかってしまうため、中世より重要書類などを送る際に使用していました。
このシーリングスタンプも、特有のデザインがあり味わい深いものですが、身近で使用されることは少ないでしょう。
立体のスタンプなので、そのまま郵送してしまうと郵便局の自動仕分機にかかったときに割れる可能性があるので、一般的に利用しやすいものではないでしょう。別の封筒に入れるなどして保護するのが良いでしょう。
いずれにしても使用頻度は高いとは言い難いものです。
強いて挙げれば、少し凝った結婚式などの招待状に使われていることがあるかもしれません。 なかなかシーリングスタンプを収集している人はいないかもしれませんが、もしいらしたら是非Webサイトで紹介してもらいたいものです。