郵便目玉と送達猶予

郵便の「表示」は、郵便物に切手を貼ってポストに入れる場合やあらかじめ記載されている郵便はがき(旧官製はがき)等では必要ありませんが、まとまった数量を郵便局に差し出す際には記載が必要なマークで「郵便目玉」とも言われます。

郵便表記の中の“線”の意味


郵便表記の種別は「料金別納」と「料金後納」。形状は丸型と角型があります。この表示のマークの中には線が引かれており、受け取り側であまり気にしている人は少ないのですが、差し出す側には重要な意味があります。
この本数によって、送達までの日数と料金割引率が変わってしまうからです。

大量発送の場合は、送達日数に3日程度(もしくは7日程度)加算した日数により送達することを承諾した場合に割引率が上がります。

「通常(基本)に加えて3日程度の送達余裕承諾」の場合受ける割引(大量の発送物の場合は差出の際に料金の割引を受けることができます)は大きく「特割」と呼ばれます。「(基本に加えて)7日程度の送達余裕承諾」は特割よりも更に割引率も大きく「特特」と呼ばれます。

簡単にまとめると、
●基本 ・・・ 通常の送達期間
●特割 ・・・ 基本 + 送達猶予3日程度
●特特 ・・・ 基本 + 送達猶予7日程度
ということになります。

これだけ見ると、差出の方法によってはずいぶんと日数がかかるものだと思ってしまいますが、実際にはどれぐらいの配達日数がかかるのでしょうか。

内国郵便約款第85条には郵便物の送達日数について要約次のような記載があります。
「郵便物の送達日数は、地理的条件、天候、交通事情、その他やむを得ない事由を除き、差し出された日の翌日から起算して4日(土曜、日曜、休日及び1月2日は不算入)以内とします。」
そうなると、前述の「基本」の場合は差出日を除いて4日以内ということですから、「特割」や「特特」ですと1週間・10日余程度になりうるということです。

しかし、実際にはほとんどの場合それほどの日数はかかっていないようです。
差し出された局でも、わざわざ猶予別に仕分けをしてタイムラグを設けるような手間はかけませんから、スピーディーに配達業務を行っている郵便局(一般に配達局と呼ばれています)まで流れていきます。
この送達猶予の扱いについては、配達局の側から見ると良くわかります。

配達のスピードは?


配達局では、「特割」であろうと「特特」であろうと、全国から集まった郵便物をどんどん配達します。早く配達しないと次から次へと入ってくる郵便物であふれてしまいます。配達員はとにかく忙しいのです。
ただ、この送達猶予が発動されるシーンは、その配達局の1日のキャパを超えたときです。配達員の数が決まっていればおのずと1日に配達できる物量が決まっていますが、それをオーバーした時は猶予付きのものは後回しにされます。週明けや連休明けは荷物が多いため基本の郵便物と同じタイミングで配達されるかどうかは微妙でしょう。
要するに、配達局のコンディション次第ですから、早く送達される地域もあれば遅い地域もあり、「特特」で翌日送達される場合もあれば、「特割」でも一週間近い日数がかかる場合もあるわけです。
広告郵便物を出される方は、「特割」か「特特」になりますので、送達希望時期からの逆算でしっかり「読み」切ることが大切です。