「行間」を読む(バーコードの話)

梅雨も明けると「暑中お見舞い」の季節がやってきます。
文字通り「暑中」に「見舞う」というこのもともとの習慣は、一年で最も暑い時期に相手の健康を気遣い家などを訪問していたようです。

行間-筆者の思い

郵便制度が定着した大正時代からは手紙でのやりとりが流行ってきました。この日本特有の文化は、姿形を変えながらも今にいきています。
ところで、「行間を読む」という言葉があります。手紙などの文字では書かれていない筆者の真意を感じとるという意味でつかわれますが、
文面ににじみ出ている思いやりや心遣いを感じる時ほど心が豊かに思えるときはありません。
「お便りの文面から伝わってきた温かいお人柄の感触、決して忘れません。」
これは脳科学者で有名な茂木健一郎氏がある書簡の中で書いている言葉です。私達も暑い夏に涼風を贈るような感触の伝わる手紙を心掛けたいものです。

バーコードについて


話は変わりますが、郵便物の宛名側には郵便機械が読む「バーコード」が印字されているのをご存じでしょうか?
「局内バーコード」「IDバーコード」と呼ばれるもので、区分機で郵便物に記載された郵便番号などの情報を読みコード化したもの、または機械が郵便番号等を読み取れなかった場合などにオペレータがキー入力したもののようですが、透明か極淡い色の特殊なインクで印字されるため、見る角度を変えてよく見ないとわかりづらいものです。

また、差出人が予め住所などの宛名と一緒に印字する「カスタマーバーコード」といったものもあります。
これらのバーコードの利用が、膨大な郵便物の仕分け、運搬、配達を可能にしています。
バーコードの歴史は古く、米ドレクセル大学の大学院生が1949年に発明。1967年にはアメリカの食品チェーン店がレジの行列解消のための方策として実用化し普及しました。JAN(Japan Article Number)コードは、JIS化されており現在生活用品のほぼ全てにマーキングされています。その他、ITF(Interleaved Two of Five)コード、NW-7といったコードが1972年に開発され、日本でも工業用や宅配便の集配管理、図書館の貸出管理、各種会員カードなど幅広く利用されています。

現在ではWebや携帯電話の機能の一部であるデジカメの発達でQRコードが普及、WebサイトのURLを伝える方法として多く利用されています。更にはARといったバーチャルな世界にも発展しています。

これらは、コード化の発想と読み取り機器の発達によって進化した文明のひとつでしょう。
将来、「行間」を読める郵便機械が登場したら、どんなコードを出力するのでしょうか。。。