郵便珍話 – 郵便豆知識⑨ -  ★郵便やDM発送のご担当者必読

郵便珍話(DM発送代行・㈱アルファラン)

「郵便珍話」は郵便や宅配その他発送や情報通信にまつわる珍しい話や豆知識、最近の話題、一般的な疑問点などを話題にしたエピソードなどをコラム的に記載したものです。

郵便・DM発送のプロならではの視点をお楽しみください。


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「白バラ」とゾフィー・ショルの手紙


2005年に映画『白バラの祈り ゾフィー・ショル 最期の日々』がドイツで制作されました。
それは、1942年から翌年にかけて起きた「白バラ抵抗運動」の実話をもとに描かれた作品です。


戦後のドイツでは、このレジスタンスの活動、なかでもショル兄妹に惜しみない賞賛が与えられているのです。


「白バラ」とは、第2次大戦中の、ミュンヘン大学の学生で構成された反ナチス抵抗組織のことで、
この作品の主人公ゾフィー・ショルは首謀者であるハンス・ショルの妹です。
たった半年程度の地下活動、そして、国家反逆罪により21歳という若さで斬首刑にされたゾフィー。
その最後の日々は、あまりにも鮮烈です。


少しだけ内容を紹介します。
組織の主な活動は、ナチスへの抵抗と戦争早期終結を呼びかけたビラを作成し各所へ郵送するもの。
あるとき、若い兄妹は、余ったビラをミュンヘン大学構内で蒔くことを計画。


【ゾフィー・ショル】

【ゾフィー・ショル】

1943年2月18日昼前、まだ閉まっている講義室の前と廊下に1,000枚以上のビラを置き、
残りも全て撒こうと3階吹き抜けからトランクの中の残りを玄関ホールに落として撒きました。
大量のビラが舞う玄関ホール。


残念なことに、それをナチス党員の学校関係者に目撃されてしまい、
二人はその場で秘密国家警察(ゲシュタポ)に逮捕されてしまいます。

容疑を否認するも、その後に証拠となる大量の切手やビラの原稿などが押収されます。
万事休す!
覚悟を決めたゾフィーは一転、容疑を認めるとともに、自らの良心、正義の主張を展開します。


クライマックスの舞台は悪名高き「人民法廷」。
相手は、ナチスの古参ローラント・フライスラー。
彼は、不法な見せしめ裁判で数千人に死刑判決を下した不当な判事です。

逮捕からたったの4日後、夢も将来もあった若者達は、反逆罪の汚名と共に、
判決のその日のうちにギロチンでこの世を去りました。
1943年2月22日のことです。


しかし、処刑前の最終弁論でゾフィーが判事フライスラーに毅然と言い放った言葉が胸をえぐります。
「今にあなたがここに立つわ!」


映画は処刑のシーンで終わりでしたが、
史実では、それから2年後の2月に、フライスラーは空爆で死亡。
人民から裁判で裁かれることはなかった彼は、死しても尚、人道の歴史から永遠に裁かれることとなったのです。


ところで、逮捕の前日にゾフィーが友人リーサへ送った手紙には、まさか数日後に

自分がこの世から消えてしまうことなど考えも及ばない、若者のまぶしいほど溌溂とした生命力が踊っています。


「今、蓄音機で『鱒(ます)』の五重奏を聴いているの。(中略)
このシューベルトの作品からは文字通り空気を感じ、香りを嗅ぎとり、
鳥たちと全被造物の歓声を聴きとれるのね。
ピアノで繰り返される主題 ― まるで冷たく澄んだ泡立つ水のよう。
ああなんてすばらしい。」


(2015.03)



「広告郵便」と広告戦略


さて、今回は「広告郵便」についての話題です。

端的に言いますと、「広告を内容とする大量の郵便物なら安く郵送できますよ」という割引サービスです。

差出通数等の条件によっては、料金が11%~48%の割引になるのでうまく利用すれば大変にお得です。

デパートやスーパー等の催事案内や通販商品案内、店舗の新規オープンなど、利用範囲も様々です。


割引は有難いのですが、差出のタイミングには注意が必要です。

まず、この広告郵便の割引を受けるには、事前の「審査」が必要です。

差出す郵便局にサンプルを提出し、許可が下りるまで約1週間。 その後、宛名印字をし、郵便番号別の仕分け(業界では「バルク仕分け」という)をしてから差出をします。

また、広告郵便は「3日程度の猶予」または「7日程度の猶予」で差し出すため、企画段階でトータル期間をしっかり逆算しておく必要があります。特に、催事や店舗オープンなどENDが決まっている場合などは危険です。

らんどSALE


ところで、「広告」とは何でしょう??

ネットで意味を検索するとこのような内容が出てきます。


「人々に関心を持たせ、または、購入意欲を持たせることを目的に、有料の媒体を用いて商品やサービス、事業などの情報を積極的に宣伝をすること。」


・どう見せれば買ってもらえるか。

・何を書けば足を運んでもらえるのか。


等々、表現方法は大変に難しいものです。いくら良いものでも伝わらなければ意味がない。


しかし、メディアやコンテンツの多様化の現代にあって、「これなら必ず成功する」といった広告はちょっと困難です。


先日、大手広告代理店の営業さんとお話しした際、今後の広告戦略についてお聞きしました。

データ 今の主流はデータをきっちりと取って戦略的に行う方向であるとした上で、『情報があふれているからこそ、確かに情報の「表現」「書き方」が重要にはなるが、それよりもいろいろなパターンを試して数字化し、戦略化する方が大切である。』というのです。

そして、『単にアクセス数を増やすことよりも、フィニッシュまで誘導することの方が価値的。』と考えるのです。

通販サイトであれば、既に多数の人がアクセスしている場合には、新たな人を呼び込むより、既にアクセスしている人が実際に購入するようにした方がより効果的に売り上げを伸ばすことができる。


2つある選択肢のうちどちらがより良い結果をもたらすことができるのかを見極める「A/Bテスト」というものがありますが、今の広告の主流は一か八かの一発勝負ではなくトライした結果をPDCAサイクルでどんどん反映させていく成長型なのでしょう。



ところで、広告郵便にはそれ以前に深刻な悩みがあります。

広告の内容を云々する前に、発送先の宛名リストが古くて相手に届かない不着(バックメール)が意外に多く、多い場合は差出通数の2割近く戻ってきてしまいます。

リストのブラッシュアップも広告戦略の一部に加えてはいかがでしょうか?


(2015.03)




「漂流郵便局」②


以前にこの珍話でご紹介した「漂流郵便局」。

昨年10月30日放送の「あさチャン!」(TBS系)で人気の夏目三久アナウンサーが手紙を朗読中、亡くなったばかりの祖母を思い出して感極まって涙する一幕が。

これを機に更に話題を呼んだ「漂流郵便局」が、今月単行本になって発刊。全国に更なる感動を拡げています。


本のサブタイトルは ”届け先のわからない手紙、預かります” 。

漂流郵便局 惑星儀

既にこの世にいない人への思い、過去や未来への自分へのメッセージなどが次々に送られ、この瀬戸内海の小さな島の小さな郵便局に”漂流”した手紙は既に3,600通を超えるといいます。


この発刊の紹介も本年2月11日放送の「あさチャン!」。夏目アナは今回は涙はこらえたものの、いつになく熱く語る姿が印象的でした。


紹介されている手紙はシリアスなものだけではありません。

往復はがきの「M高校 昭和37年卒同窓会」の案内欄の余白には、「天国の友よ 当日は全員UFOで来るよう」と書かれていて、思わず笑いを誘うものも。

また、局長の中田勝久さんと差出人との交流も心温まる内容です。

写真も多く、現地に赴けない読者への配慮が感じられる一書です。


この郵便局のテーマの一つは 『「時間(字間)」と「空間」を超越した心の世界』 ともいえるでしょうか。それらが芸術の中で表現されるとともに、差出人は悲哀との決別を、運営している局員さん達も使命感への昇華を遂げ、お互いが何か大きなものに突き動かされている、その中心がここ「漂流郵便局」なのかもしれません。

ロゴマークは郵便の消印をモチーフにしていますが、日付表示は[00.00.00]

局内にはハーフミラーガラスの「地球儀」ならぬ「惑星儀」が置かれ、漂流する手紙にやさしい光を送ります。

制服にも配慮があり、襟元は明治時代の海運に携わっていた郵便局員の「セーラー服」を参照しているとか。


漂流郵便局 ロゴ

ちなみに、「漂流郵便局」の英語表記は「MISSING POST OFFICE」。MISSING(ミッシング)は「さみしい」「行方不明」といった意味があるそうです。


これから更に進むデジタル文化の中で、決して消えることのない人間の心と、時空を超えるアナログ文化の究極を、この空間に見る思いがします。

今回の出版を機に「MISSING POST OFFICE」が世界的に有名になると、欧米やアジアからも手紙が届くようになるのでしょうか。英語、ドイツ語、フランス語など、翻訳も大変になるなあと老婆心ながら心配したりします。著者である局員の久保田沙耶さんは幼少期は香港にいらしたそうなので中国語は大丈夫かと。


ところで、”宛先のわかる”手紙を配達してくれる郵便配達さんの使命も大きいと思います。雨の日も風の日も、寒い雪の日も「心」を運んでくれているのですから。


(2015.02)


今一度「信書」を考える


先日、弊社ホームページからお問合せを頂いたお客様から大変に興味深いお話しを頂戴しました。

『クロネコ・メール便が4月から廃止になるとのアナウンスがあり、それにともない4月以降は当社で発刊している書籍の発送は「ゆうパケット」にしたい。』というものでした。


ゆうパケットの説明は省きますが、確かにヤマト運輸さんのメール便サービスの廃止報道は世間をアっと言わせました。当然、サービスを提供する私どももある程度は察していたものの驚きを隠せませんでした。信書って何だ?

ただ、だからと言って「ゆうパケット」の利用への切り替えでは少々コスト面で大丈夫なのだろうかと心配し、他のサービスや発送方法のご提案をさせて頂きました。



ところが、よくよくお話しを聞いてみたところ、現在その会社にて毎月発刊している書籍と一緒に、一部請求書を同封しているというのです。

一般的には請求書自体は信書の扱いですが、商品と一緒に同封する場合は一定の条件のもとメール便や宅配便などの非信書便の利用も可能です。


問題は、今回の「クロネコ・メール便廃止」報道で、その廃止理由が「信書発送による違反をなくすことにある」とドーン!!と出したから、顧客から「信書(請求書)をメール便で送っていいのか?」といった問い合わせが多くなり、対応に困っているというのです。

なるほど信書の説明は難しいし、いままで請求書が信書に当たるなど知らなかった人も意外に多いのです。

しっかり請求書にも非信書扱いの旨を記載しているそうですが、なかなか理解されず、受付窓口の方はこの手の問合せで四苦八苦されたことでしょう。


だからといって「ゆうパケット」というサービスに替えても、前述の方法以外では信書の同封は不可なのですが、そこはやはり郵便のサービスということで、少しでも信頼度がアップすれば顧客も安心されるだろうということだそうです。


書類の作成

さてここで、もう一度信書について考えてみましょう。

信書の詳細については本珍話「信書の定義Ⅰ・Ⅱ」に詳しく記載されておりますのでご参考にして下さい。


ヤマト運輸さんのホームページには次の事例が掲載されました。


■履歴書を応募者が企業に送るときは「信書」ですが、

企業が応募者に単に返送するときは「非信書」です。


■請求書を取引先から受け取る時は「信書」ですが、

社内の別部署に単に輸送する場合は、「非信書」です。


■合格証書は受験者が受け取る時は「信書」ですが、

その受験者がご家族などに単に送付する場合は「非信書」です。


信書とは

どうでしょう?「履歴書」「請求書」「合格証」といった一般的に信書と思われるものでも、発送(差出)する「人」と「モノ」の関係性でそのモノのもつ「意味」が変わるのです。


もっと、訳がわからなくなった!という方も多いでしょう。

そう、わかりにくいので、ヤマト運輸さんも一時は信書の定義そのものの廃止を訴えたこともあったようです。

気持ちはわかりますね。

一方で、前述の通り信書の発送そのものの信頼度は、その確立した社会インフラの強固な郵便がダントツであるというのも現実です。


よい折衷案はないものでしょうか?


(2015.02)



郵便局とPマーク


プライバシーマーク(通称:Pマーク)をご存じでしょうか?

個人情報を扱う企業の多くが取得している制度で、簡単に言えば「個人情報の保護体制をしっかりと整備している事業者に付与されるブランド・マーク」です。

【個人情報_1】Pマーク

このPマークは、日本工業規格(JIS)にも準拠しており、事業者にとっては法律への適合性はもちろんのこと、自主的により高い保護レベルの体制(これを個人情報保護マネジメントシステムという)を運用していることを世の中にアピールできるのです。

取得企業数は毎年右肩上がりです。


大量の個人情報をお預かりする当社も当然ながらPマークを取得(認定番号:第17000258号)しており、先日更新申請書類の提出を終えたところです。

春には現地審査も行われる予定です。



個人情報もも安全第一 このPマークには重要なポイントがいくつかあります。「個人情報の洗い出し」「内部監査」「教育」「代表者による見直し」など。


私達のような「郵便・DM発送代行業者」においては、「委託先管理」が現地審査の際の最重要ポイントとなっています。

具体的には「委託先にも同等以上のセキュリティを求める」ことが義務付けられています。

業者選定時はもちろん、担当者による定期的な委託先訪問を励行しチェック体制を維持しているのです。


ところで、日本で最大級に個人情報を取り扱っている事業者はどこでしょうか。いわずもがな「郵便局」でしょう。

郵便配達軽トラ

年間の引受郵便物(信書)だけで185億通。国際郵便やゆうパックなどの荷物を含めると220億以上になります。(平成25年度)


よく耳にする素朴な疑問ですが、郵便局はこれほどの量の個人情報を取り扱っている企業なのに「Pマーク」は取得していないのですが、なぜでしょう?

また、郵便局であっても「個人情報の委託先」であることには変わりがないのだから、郵便を利用しているPマーク取得会社は毎年調査を行う必要があるのではないでしょうか?

確かに、言われてみれば不思議な気がします。



結論的には、郵便局には厳しい「法律」の定めがあるのです。


古くから「郵便法」という法律があり、そこにはこのように記載されています。

第8条(秘密の確保)「会社の取扱中に係る信書の秘密は、これを侵してはならない。」

第7条(検閲の禁止)「郵便物の検閲は、これをしてはならない。」


このように、郵便局には郵便業務の守秘義務が課せられているため、敢えて一般企業者が審査を行うまでもないわけです。

更には、


第8条2項「郵便の業務に従事する者は、在職中郵便物に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。」


とあります。

配達員は、業務上この担当地域の住人について知りたくなくても知り得てしまう個人情報があります。家庭の複雑な事情、金銭トラブル、服役者、時には涙なくしては見れない人間ドラマも。。。

そういった「業務上知り得た情報」は家族にも語らず墓場まで持っていくのが郵便配達員の心意気。

まさに「顔で笑って、心にPマーク」!?


(2015.01)



12月の嵐は郵便局


年賀状も一段落すれば郵便局も日常業務に戻ります。

1年間、いろいろなことがありますが、郵便局にとって2014年12月の衆議院選挙は近年では稀にみるバタバタ劇でした。


郵便局が一年で一番忙しいといわれるのが12月です。特に前半はお歳暮配達があるため、その時に国政選挙が突然降りかかってきたのですからそれはそれは大変だったでしょう。

投票箱12月

選挙の時には郵便局は「臨戦態勢」に入ります。投票用紙の配達の成否は極端な言い方をすれば国の行く末を左右しかねません。公示とともに迅速かつ正確に全有権者を対象に送達しなくてはいけないのです。局のセキュリティ体制は強化され、配達員さんは通常の2倍・3倍といった量の郵便物と格闘します。


ところで、選挙の際の投票は、区市町村の「選挙人名簿」に登録されていることが前提です。引っ越しをした場合は、転入届をした後3ヶ月以上住み続けることで転入先の区市町村選挙人名簿に登録され投票ができるようになります。

ところが、実際に投票用紙を配達する時にはタイミング悪く転居しているケースや実在確認ができないケース、その他離婚・服役などの複雑な事情の家庭もあるでしょう。1枚の配達物ではあるものの、それは国民の権利を乗せた1枚。なんとか有権者のもとに届けたいと願う反面、法的にどうあるべきか、取り扱いの判断も多種多様です。

そうして苦労して届けられた投票用紙。その半分近くが無駄になっているのはちょっと寂しい気がします。


そんな、嵐のような12月と年賀状配達を終え、通常業務に戻った郵便局は少しだけ長閑に見えると言ったら、怒られてしまいますね。お疲れまさでした。


(2015.01)

郵便珍話 DM発送代行㈱アルファラン

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